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西洋ぐみ



「強健な性質やから、どんなやせ地でも よう育つよ」

そんな売り言葉につられて この西洋ぐみの苗を買ったのは
もう15年も前になります。



西洋ぐみ


車が平気な義母を伴って 家内と三人で、
岐阜県根尾の薄墨桜を見ての帰りでした。

雨模様の転向にもかかわらず 道は長い長い渋滞、
お陰で 日暮れ迫る山間の
樹齢1500年が放つ妖気と向かい合えました。

醜いまでの巨岩のごとき幹から
どうしてあんなに可憐な花をつけることができるのか、
この西洋ぐみが 目立たない白い小さな釣鐘状の花を咲かせると、
きまって あの薄墨桜を思い出します。

西洋ぐみと薄墨桜と義母、
わたしだけの わたししか判らない 取るに足らない因縁です。






トップへ Nobuhiko Yamada