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合歓の花は 夜風に薫る






梅雨どきの楽しみが、ひとつあります。

合歓の木が、大らかに伸びた葉のあいだから
柔らかい眉ブラシのような 眠たげな花を
いっぱい咲かせてくれることです。

夕暮れになると 葉が合掌して眠るのと入替えに、
花は、待ち焦がれたように 咲き乱れます。

日がとっぷり暮れる頃、夜風に乗って 合歓の花は、
高原の風を思い出させる みずみずしくあまい香りを放つのです。

いいことがありそうな、
そんな気分にさせてくれる 合歓の花です。



~ 合歓大樹 花ほうほうと 紅きかな ~ (蛍泣)

トップへ Nobuhiko Yamada