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鬼門を守る つつじ



新居浜に勤務していたころ、社宅の隣に住んでおられた山下氏から
つつじの苗をいただきました。

社宅の裏の小さな庭に その苗を植えて間もなく、
京都へ引越しすることになりました。

そのままにして離れるのが惜しまれて、
出発まぎわ つつじのまわりの土ごと ナイロンに包んで、
引越しのトラックに 積み込みました。

あれから、35年。
つつじは 二回引っ越して、
いま、 ヤツデの隣で 工場の鬼門を守っています。





毎年 この時期になると、工場の北棟の東隅が
ひときわ 明るくなります。

となりのヤツデの背丈とかわらないほどに 大きく育ったツツジは、
5月のまぶしい太陽を反射させて
工場の中をピンク色に染めるのです。

鬼門のつつじが咲くたびに、
新居浜でお世話になった懐かしい人たちを 思い出します。


トップへ Nobuhiko Yamada