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赤い小さな実のなる木

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赤い小さな実のなる木といえば、南天を思い浮かべます。
音が 「難を転ずる」に通ずることから、縁起の良い木とされ、表鬼門や裏鬼門によく植えられます。

同じく赤い小さな実のなる木に、柊があります。
トゲトゲの葉のイメージからでしょうか、古くから邪鬼の侵入を防ぐと信じられ、これも鬼門植樹の代表です。

南天も柊も、そのたくさんの赤い小さな実が、災いから守るという象徴なのだと、想像します。
わたしは、赤い実のなる木が好きです。



上の画像は、西洋柊(クリスマスホーリー)で、よく見かけるトゲトゲの葉ではなく、丸葉の種類です。
日本在来の柊と似ていますが、よく見るとモクセイ科の日本柊とは葉の付き方が異なり、この西洋柊はモチノキ科に属して、まったく別種の木だそうです。

晩秋に赤い小さな実をつけた西洋柊は、堅い実のおかげで鳥たちに食われることなく、年を越します。
節分を過ぎても実をしっかりと抱き、雪の重みにも耐えて、春を待ちます。


近くの二条城には もうすぐ、いろんな種類の渡り鳥が寄ってきます。
お堀の周囲の生垣になる実が、目当てです。
赤い実はトキワサンザシ、だいだい色の実はタチバナモドキだと、俄か勉強で知りました。
よほど おいしい実なのでしょう。





2月になると、人通りの少ない お城の北側や西側に、鳥好きのカメラマンが押し寄せます。
とくに西側の美福通りは、三脚を立てたカメラの列ができるほどです。

ちなみに、朱雀高校正門のある美福通りは、むかし女学生通りと呼んだそうです。
朱雀高校の前身、京都府立第二高等女学校(府二)を懐かしむ人たちの話によります。

これらお堀のまわりのピラカンサは、春、小さなかわいい花を、いっぱい咲かせます。



木は、何も言いません。
同じ位置に、じっとしています。

でも、ちゃんと季節を知っています。
季節をたがわず、花や実をつけるのです。

わたしは、赤い実のなる木が好きです。