てっせん |
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クレマティスという洋名もありますが、やはり 「てっせん」が似合う花です。
花びらが8枚ですから、同じクレマティスでも、和名の 「かざぐるま」に近い品種かもしれません。

漢字で 「鉄線」と書くことを、巖谷國士(いわや くにお)著 『幻想植物園』で知りました。
こうあります。
「て」にアクセントをおく言い方が、いわゆる鉄線(鉄の針金)とは違うし、繊細優美な蔓草の花に 鉄の硬さや重さは似合わない、と感じたものだった。
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(後年 パリで、知人女性のアパルトマンの屋上で、てっせんに再会して)
こんなに美しい植物を 日本では なぜか鉄線と呼ぶのです、というと、彼女は以外にも 「すばらしい!」と応じた。
クレマティスのほうは 単純に蔓を意味するギリシャ語からきた名前だが、それを鉄の線に見立てる想像力は どこかモダンでエキゾティックに思える、というのである。
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4年前 娘が、小鉢でプレゼントしてくれたものを、植えなおして置いておいたものです。
冬場も屋外に放ったらかしにしていたのに、ことしも こんなにきれいに咲いてくれました。
てっせんが咲くと あぁもうすぐ夏だなぁ、そんなそよ風を、感じさせる花です。
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