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大文字 五山送り火



日本列島が猛暑となった お盆の16日
京都では 精霊を送るという意味を持つお盆行事の一つ
“五山送り火” が例年通り行われました

今年は御所の南にある知人宅の屋上から 送り火を見送りました



丸太町通りから右大文字を見た景色


“五山送り火” の始まった時期は 平安時代や鎌倉時代
室町時代ともいわれていますが
各山によっても異なり
確実なことは分からないそうです

一般的に広く行われるようになったのは
仏教が庶民の間に深く浸透した室町時代以降だといわれ
以来600年もの間 途絶えることなく受け継がれています


昭和58年6月1日には 京都市登録無形民俗文化財として登録されました


以前は 市原野(貴船・鞍馬)に 「
鳴滝に 「

北嵯峨に 「

観音寺村に 「
長刀
などがあったそうですが
早くに無くなってしまい
現在 五山が残っています


」の字は 人が両手を広げた形を表し 東の山に人が登り
妙法」はお経を意味し
」に乗って
最後に「
鳥居」をくぐって 冥土に帰る・・・
との意味があるとも言われています



火を灯す為の割木の準備は1年がかり
松を切り丸太から割木を作り 1年かけて乾燥させ
出来た割木を山に運んだり 火床に置く麦藁の用意・・・
そうした作業の集大成が送り火です

各五山の保存会会員の方が点火され
当日は全山一般の登山は禁止となっています


昔は燃えきった木の消灰を粉末状にし
病封じとして服用する習慣があったそうですが
(本当に飲むとお腹が痛くなるとも・・・)
現在は 消灰を半紙に包み玄関や軒先につるしておくと
魔よけ・厄除けになるといわれていて
形がきれいに残っている炭は争奪戦だそう・・・


午後8時の大文字を筆頭に
松ヶ崎妙法 船形万燈籠 左大文字 鳥居形松明 の順に
各山30分程 燃え続けます



大文字に火が灯りました


小さい頃 「ほら、みんな帰らはるえ」 と
祖母が大文字を見ながら手を合わしていたので
深く考えずに 一緒に手を合わしていました
その灯りについての意味を知るにつれ
点灯してから消えるまでの間
手を合わせる時間も長くなってきた気がします

今回 20人程集まっていた中 火の灯っている間
ずっと手を合わせて 涙を流す人がいました
声を掛けるのも悪い程拝んでられたので 聞いてはいないのですが
近しい方が亡くなられた 初盆だったのでしょうか・・・


御所の南手に面したマンションだったので 丸太町通りを見下ろすと
沢山の人が御所内に入っていくのが見えました

浴衣を着てる人 杖をついている人
自転車で来る家族連れ
観光中の外国の方 様々な人たちです
私もそうだったように ただ単に「大文字の日」と
イベントとして捉える人は多いと思います

この送り火を “送り火”として見る人は 少ないのかもしれませんが
涙を流して見入る人がいるのも確か
本来の意味を知ってから見上げると
“送り火” が違う灯りに見えてくるんですよ

街中に貼る 『五山送り火』 のポスターにでもいいから
少し載せたらいいのに・・・と 思ってしまいます
京都は 本当の意味をアピールするのが
いまいちヘタやなぁ と私はよく思うんですが
他府県の方から見ると どうなんでしょうね?




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