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岡寺の観音坐像



西国三十三所観音巡礼で尋ねる寺々は、ご本尊に観音さまが祀られています。
ところが、秘仏であったり 遠くのうす暗い内陣に安置されていたりで、
間じかにそのお姿を拝することができず、ちょっとがっかりするお寺があります。

奈良明日香村にある 第7番札所の岡寺は、観音さまを間じかに拝むことができ、
親しみをもってお参りをすることができました。






岡寺の本尊 如意輪観世音菩薩は、わが国最大の塑像の仏像です。
堂々とした体躯の観音さまですが 威圧感はなく、張りの強い頬に頼もしさを、
しもぶくれの顎に温かさを感じます。
肌は彩色がはげて白っぽい土の色。 唇にうっすらと残る紅色。





胎内には、今は他所に移されている もう一つの観音さま、
やさしい目鼻立ちで知られる30cmほどの菩薩半可思惟像を蔵していられたとのこと。






右手を挙げて施無畏印を結び 怖がらなくてもよいといい、
左手は膝上に置いて掌を仰いで与願印を結び
その御名を呼ぶ者の願いに意の如く応えてくださるという。

御前に座していると、不思議と気持ちが安らぎます。
どうにもならないこの身を、お預けしても良いと思えてくるのです。

岡寺の如意輪観世音菩薩に巡り会えたことで、1200年の歴史をもつ観音巡礼の意味が、
ちょっとわかってきたような気がしました。





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