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淡路島 灘黒岩水仙郷



もう 見ごろも終わりかな そう思いつつも、意を決して
淡路島の黒岩水仙郷を訪ねました。
群生する水仙を、もう一度 見たかったのです。

淡路島の南端、そう高くはないが 海岸に険しく迫る、
論鶴羽(ゆずるは)山。
その斜面に群生する、500万本の水仙。
正確には、「日本寒水仙」 と言うのだそうです。

日当たりの加減なのでしょう 南斜面の多くは花を落としていましたが、
日陰になる北東側の斜面は まだいっぱいの水仙の花で 埋め尽くされていました。

咲き初めの強い香りは 望めませんでしたが、
足元から吹き上げる潮風に運ばれて、
自生の水仙たちは 奥ゆかしい香りを放っていました。

切り花の水仙も 可憐で好ましいですが、
自生の水仙には 可憐さよりも強さに惹かれます。

海から吹き上がる寒風に堂々と向かうように、すっくと咲いています。
6枚の白い花被片を 後ろに反らせ、
その内側に 杯状の黄色い副花冠を 潮風に向けて立つ。
群れに没して なお、一輪一輪が雄雄しく咲く姿に、
神々しさすら覚えます。

どうして こんな条件の悪い斜面に群生するのか ぼくには謎ですが、
だから余計 水仙に惹かれます。



思い切って 黒岩水仙郷を訪ねてよかった。

冬の終わりの水仙の群れに 会えてよかった。



トップへ Nobuhiko Yamada