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東北 4



この度の大雨で被害に遭われた皆様には
お見舞い申し上げます
大変な日々が続くと思いますが
一日も早く 以前の日常が戻りますことを
心より願っております





津波を思い出さずにはいられない映像が届いた2日後が
予定していたフリーマガジンの東北取材日でした

何の準備も無いまま 「ボランティアに来ました」
なんて言っても 邪魔なだけだとは
震災で学んでいます

出来る事を出来る人が
そうも教わりました

気にはなるのですが諦めます

お約束もあるので 今する事をしに行く
予定通り11日の夜行バスで 仙台へ向かいました


仙台から宿泊地の気仙沼までは予定を入れてなかったので
東北道は使わずに 三陸道からゆっくり石巻へ向かいました

以前から行きたいと思っていたのに お店の休業日が重なったりで
寄れないままだった 『日和キッチン』さんへ





活動趣旨は
「よそ者目線で石巻の食文化を新たに開拓すること」

震災後 ボランティアで石巻に通われる中で地元の人々の暖かさに触れた
多種多様な職業の方々が始められたお店です





古民家に手を入れられたお店は もとある並びの建物とも馴染んでいて
ずっとここにあったかのようです

到着したのは “昼ごはん”メニューの時間帯
ジビエ料理を提供されるお店なので
鹿ケフタカレーをいただきました

鹿の肉団子入り トマトベースの優しい味です





翌13日が 『ツール・ド・東北』だったので
お店にはレースに出られる方が多くおられました
(みんな同じようないでたち)

この日の夜は近くで親睦会が有るような話もされていました
すっかり地元に密着されているお店です


食事を終え 気仙沼を目指します
本吉町あたりからは
休線になった気仙沼線に平行するように沿岸近くの道を走ります

気仙沼線は 現在BRT(バス高速輸送システム)になり
バス1台分ぐらいの細い道路が ずっと続きます

ここに電車が通っていたと思うと 少し寂しい光景です


気仙沼に入ってから こちらも気になっていたお店
アンカー・コーヒー マザーポート店』さんへ





気仙沼市内の2店舗は津波で全壊
その様子を常務さんが写真に残されています
アンカーコーヒー クルー日記
現在のお店は今年4月にオープンされました

自家焙煎豆のコーヒーは美味しく
スタッフの皆さんもすごく気さくな方々で
少し休憩のつもりが長居してしまいました


翌13日はお昼に取材だったので
その前に腹ごしらえをと
こちらも営業時間中に伺えてなかったお店
K-port』さんへ

俳優・渡辺謙さんがつくられたカフェです





震災後 被災地に通い沢山の方と繋がりができる中
「心の港(=port)」をプレゼントしたいと
2013年11月にオープンされました





今も スケジュールの空きにはやって来て
南果歩さんと ご夫婦でお店に立たれる事も
来られない日は謙さん直筆のFAXが送られてきて
入口でお客様を迎えます

履き物を脱いでスリッパで入店
どこかのお宅にお邪魔するような感覚





店舗設計は 建築家・伊東豊雄氏
天窓から入ってくる明かりは
テーブルに気持ちの良い光を取り入れます





三國清三氏監修 「海老だし野菜カレー」をいただきました
濃厚な海老の風味が最後まで味わえます





K-portから 取材地の安波山へ

「航海の安全と大漁を祈願する」
という由来から名づけられた
港まち気仙沼のシンボル的な山です

頂上には軽くハイキング並みの道のりなので
今回は途中の「ひのでのてらす」まで
ここからでも港が一望できます





取材させていただいたのは
気仙沼出身のミュージシャン・熊谷育美さん

映画
「劇場版TRICK・霊能力者バトルロイヤル」
「悼む人」の
主題歌を歌われています

私が知ったのは
映画監督・堤幸彦さんのドキュメンタリードラマ
Kesennuma Voices」を見て
ドラマの主題歌 「春の永遠」も育美さんの曲です

Vol.3の一場面
気仙沼の港から出航する遊覧船の中
被災された方々の前で歌われる育美さんの姿がありました

大切な故郷を 大切な人達を 飲み込んでいった海の上で
こんなに穏やかに歌われるのは
どんな想いからなんだろう?

そんな事が頭をよぎってから
お会いしたいな と思ってた方でした

少し高台にある実家へ避難して
津波が家や車や人を飲み込んでいく光景を
「声も涙も出ないまま ただただ呆然と見ていた」
と言ってられました

彼女にとって 歌う事は 「祈り」なんだそうです

12月には東京 来年3月には宮城でワンマン・ライブをされます
私もゆっくり聞いてみたいので どちらか・・・行きたいなぁ

育美さん達と別れ 帰路につきます
帰りは東北道を利用
気仙沼から一関までが結構長い・・・

仙台駅に到着して 「そう言えば」
また牛タンを食べてない事に気が付き
2月の取材後ご馳走になって美味しくてたまらなかった
「喜助」へ





お腹ペコペコだったので 10分ぐらいで完食(笑)

京都に着いたのは日付が変わった頃でした


仙台までのアクセスは便利ですが そこから北へ向かうには
車がないと ほぼ無理になりますので
「陸の孤島」なんて言われたりもしますが

とてもいいところですよ 気仙沼
食べ物美味しいし 人が優しいし

1年半振りでしたが 景色の変わりように驚きました

南三陸の防災庁舎跡は 嵩上げの土山が同じ高さにあって
まるで谷間に埋もれている遺跡のようになっていました

近辺の道路も工事車両の行き来が激しく
道路も綺麗な大きい道が作られていました

でも 仮設住宅は相変わらず建っていて
変わらない風景の場所もあります

進んでいるような 進んでいないような
モヤモヤとしたモノが残ります

走行距離300km
次はせめて2泊したい~!




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