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お地蔵さん二人



卯の花腐しの雨あとに訪れた 観音正寺。
西国三十三所 第32番札所で、
湖東安土の繖(きぬがさ)山の山上にあります。



観音正寺


西国最難所の札所で、参道の石段は1200段、
とても歩いては登れまいと
山上近くまで車で上がらせてもらいました。

眼下には、万葉集
「あかねさす紫野行き標野行き 野守は見ずや君が袖振る」 の舞台となった
蒲生野(がもうの)の 田園風景が広がっています。

14年前 原因不明の火災に遭い、
本堂はじめ ほとんどの伽藍が焼失しました。
多数の巨岩や奇石を背後に建っていた本堂跡には、
小さな仏様が ひっそりと立っています。

強い責任感に駆られた山主の 必死の托鉢行脚の甲斐あって、
白檀の新しい本尊 千手千眼十一面観音坐像が 3年前に開眼しました。
まだいい香りが漂ってくるような 真新しい白檀は
インドから調達したもので、23トンを要したとのことです。
インドでは白檀の原木の輸出は禁止されているそうで、
山主の熱意がインド政府を動かせたのでしょう。
ありがたく この晴れやかなご本尊を拝して、山を下りました。



可愛らしいお地蔵さん


観音正寺の石碑の足元に、ちいさなお地蔵さんが二体 微笑みかけています。
思わず膝をついて眺めました。
ご本尊とはまた違った感慨で 両手を合わせました。




トップへ Nobuhiko Yamada