YAMADA IRONWORK'S 本文へジャンプ
河野洋平衆議院議長の引退を惜しむ

文字サイズを変える
文字サイズ大文字サイズ中



9月17日の夕刊に、 「河野衆議院議長 引退へ」 の記事が流れた。

ああ またひとり 良識ある政治家がいなくなる、そんな思いで 記事を読んだ。


わたしは、どちらかというと 政治音痴である。
一個人の選挙候補者を応援する とか、どこかの政党に強く肩入れする とか、そういう意味では 全くのノンポリだ。

ただ、好き嫌いが激しい性格なので、政治家も 直感的に判断してしまうところがある。
ほんとうは、もっとじっくり その政治家に関する調査をせねばならないことは承知しているが、その政治家の ホームページや著書などを読んでも ほんとうのところが読めない という、落胆に近い諦めが 先行してしまう。

結局、自分の直感に頼るのが いちばん自分にも正直なことで、たぶんそれで間違いないだろう、 などと一人合点することになる。


そんなわけで、西郷隆盛を髣髴とさせる顔立ちの 河野洋平という政治家を、新自由クラブの頃から 応援(と言っても国政選挙のときに一票を投じるだけだが) してきた。

余計なことだが、わたしの好きな政治家は、以前この欄でも採りあげたことのある 宮澤喜一、それに 河野洋平の師とも言うべき 後藤田正晴である。
後藤田正晴については、機会があれば わたしの彼への思い入れを語ってみたい。


ところで、河野洋平が次の選挙に出馬しない つまり事実上 引退すると表明したことは、残念には違いないが 正しい判断だと思う。

近々の総選挙では、自民党は 壊滅とまではいかなくても、何らかの形で 大きく変わらざるを得ないだろう。
72歳の河野洋平に この混乱の舵取りを望むのは、酷である。
政治も やはり若さが必要だし、自民党にも民主党にも 若い有能な政治家が育っていると信じたい。


政府がまず何よりも先に考えるべきことは、まっとうな努力をしている企業や商店を潰さないこと。
これが政府の役割だ。


国際紛争は武力で解決しない---これが日本の基本スタンス。

日本人が戦争を簡単にみているようではいけない。戦争がどんなに多くの被害を出すか、
考えないといけない。
あの大戦で、日本国民が受けた大変悲惨な状況を我々は少し忘れかけている。
戦いがいかに悲惨で、立ち直るのにどれだけの苦労と努力が必要だったか。
戦争は絶対にやるべきではない、という強い主張があっていい。



河野洋平が 機会があるごとに主張し綴ってきた これらの思いを、有能な若い政治家に 是非継いでもらいたい。


NHK大河ドラマ 『篤姫』 で、島津久光が幕府改革を力で推し進めようとすることに疑問をもつ小松帯刀の 「どうしたら幕府を正しい方向に導けるでしょう」 との迷いに、勝麟太郎が 「それは心です」 と答える場面が、放映された。

理想主義と笑われるかもしれないが、いまの政治も、力ではなく 心で この迷える日本を導いてもらいたいものである。

それにしても、河野洋平は わたしの理想の政治家の一人ではあった。