おばあちゃんの糸通し |
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0.3㎜のシャープペンシルが詰まった。
先端の金具をはずして、穴掃除用の針で貫通させる。
その穴から、ふと向こうの小さな文字が見えた。
ちょっと覗いてみる。
あれぇ けっこう良く見える。
老眼なしで、である。
穴から逸らせて見ると、ぼやぁとして ほとんど判別できない。
それにしても、こんな小さな穴から覗くと 細かい字も読めるとは、不思議なものだ。
中学校の理科で学んだ レンズの原理なるもので説明がつきそうだけれど、何か大発見したようで、けっこう うれしい気持ちである。
そういうと、むかぁし おばあちゃんが、縫い針の小さな穴に糸を通すとき 穴の向こう側からこちらに向かって 糸を通していたのを、思い出した。
あれは、この “大発見” とおんなじ理屈なんだ。
おばあちゃんって 偉かったんだなぁ。
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