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ブラボー!ヨハン・シュトラウス

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去年の暮、クリスマスプレゼントに 何がいい?と 娘が聞くもんだから、遠慮なく 「去年と同じ、ニューイヤーコンサートのチケットがいい」 と答えました。

ところが、交響楽団の名前が 出てきません。
たしか、あのときの感動を ブログに記していたなぁ と気づいて、1年前の自分のブログから、“ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団” の名前を思い出すことができました。

1月9日、家内と 大阪・福島のザ・シンフォニーホールへ。
急にリクエストしたものだから、座席は三階の袖席、それも一番うしろでした。
でも、ザ・シンフォニーホールは良くできていて、そんな席からでも舞台のオーケストラ全員を見渡せることができ、わたしなどのクラシック素人には もったいないくらい迫力のある音響です。

去年 同席した “ブラボーおじさま”のような素敵な方は周りにはいなかったものの、どんな格好で聴いていても平気な座席で、わたしたちには最適でした。

音楽音痴のわたしでも、素晴らしい音楽には 身震いします。
いや どんなすばらしい音楽でも、それを聴く者の そのときの心理状況によって、感動の度合いは違うのでしょう。

21年前 高校生になったばかりの娘が 同じようにプレゼントしてくれた、「加藤登紀子リサイタル」 を思い出します。
京都会館の二階最後列から、あのときわたしは、恥ずかしげもなく嗚咽しながら、『百万本のバラ』、そして 『この空を飛べたら』 を聴いていました。
今回は、あんな感傷は薄いですが、腹の奥底から湧き上がる愉悦に 身震いが起きました。

『ウィーンの森の物語』、高原のそよ風に頬をなでられるように こんなに心をうきうきさせてくれる曲だったんですね。

ドボルザークの 『スラブ舞曲』 第2集の第2番(ホ短調)、初めて聴きました。
いい曲です。
もし1本だけ映画を作ることが許されるなら、このスラブ舞曲をBGにして撮ってみたい、そんな夢想を起こさせる 哀愁に満ちたメロディーです。

わたしの大好きな ブラームスの 『ハンガリー舞曲』 も、第1番だけでしたが、こんな素敵な生オーケストラで聴くことができました。

なんといっても、『美しく青きドナウ』 です。
この、邪念多きわが心を いっとき明鏡止水の心境にしてくれる曲を、今回も ラスト曲で聴くことができました。

指揮を執ったのは、オーラ・ルードナーさん。
フィルハーモニア・ウィーンを設立された方だそうで、自らもヴァイオリン演奏される客演指揮者です。
この指揮者の、体中から音楽のオーラが放射されているような ユーモアのある表情豊かな指揮振りに、まずうれしくなります。

ソプラノのナターリア・ウシャコーワさんと、テノールのメルツァード・モンタゼーリさん。
オペラやオペレッタなどには とてもじゃないが行けないわたしたちに、その触りを楽しませてくれました。

コンサートマスターは、若くてスタイルのすばらしい 女性ヴァイオリニスト。
体全体で演奏する姿に、見惚れてしまいました。

ピアノのない弦楽器中心のこのオーケストラのひとりひとり、音楽の素養に乏しいわたしには確とはわかりませんが、誇りをもって楽しんで演奏している 素晴らしい演奏家たちだと思います。

あぁ、音楽っていいなぁ。
ブラボー!ヨハン・シュトラウス。