不便 |
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不便、ほとんどの人が 「ふべん」 と読む。
便利でないこと、と解釈する。
でも、「ふびん」 と読んで 「不憫」 の意が、本来の用法らしい。
「ふべん」 と読むとき、無理やり便利にしようという ニュアンスがにおう。
人間の傲慢さが漂う。
「ふびん」 と読むとき、そこには 人と人との繋がりがある。
小さくて 弱々しくて 美しいものに対する、いとおしさに満ちている。
自分の無力を自覚した人間の、それでも手を差し伸べずにいられない、愛すべき本能を感ずる。
言葉の遊びのようだが、「不便」 の本来の用法を知って、日頃 何気なく 「ふべん」 と解釈している自分自身に、いや-ぁな自分を見たような思いがした。
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