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トイレの神様

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おぞましいニュースが多い昨今、あぁ世も末かと思わざるを得ないのは、幼児虐待の事件です。
母が自分の子を殺す、なんとかならなかったのか、だれか気をつけてやれなかったのか、子も母親も あわれ過ぎます。
大家族なら、きっとおばあちゃんが 間に立ってくれたでしょうに。


いま、「トイレの神様」という曲が注目されています。
歌っているのは、植村花菜さん。
家内の知人のお嬢さんです。

「トイレをピカピカにすると、トイレの女神がべっぴんにしてくれる」 と教えてくれた おばあちゃんとの日々を、関西弁まるだしで 素直に謳いあげています。
五目並べをしたり、二人で鴨なんばを食べに出かけたり…
そんなおばあちゃん子の彼女は、少し大人になって、おばあちゃんとぶつかります。

     どうしてだろう?
     人は人を傷付け、大切なものをなくして…


久しぶりに会ったおばあちゃんは、痩せて小さくなって、病院のベッドに横たわっていました。
そして、次の朝、おばあちゃんは…

     ちゃんと育ててくれたのに
     恩返しもしていないのに
     いい孫じゃなかったのに
     こんな私を
     待っててくれたんやね…


このフレーズにくると、涙腺が緩みっぱなしになるんです。


ぼくも、おばあちゃん子でした。
悪さをして、お仕置きで納屋に放り込まれて、薄暗くなって心細くなるころ、そぉっと かんぬきをあけてくれるのは、きまっておばあちゃんでした。

お母さんは、子育てに明け暮れて、そりゃあ かっとなることだってあります。
叱り役と、なだめ役と、やんちゃな子には、両方要るんです。
お父さんもいいですが、やっぱり なだめ役は、おばあちゃんが適任です。
近すぎる親との軋轢に苦しむ子には、おばあちゃんのやさしさが、心のオアシスなんです。
母親も、一番親身になって 話し相手になってくれるのが、おばあちゃんなんです。

では、おじいちゃんは どうなんだろう?
おいしいご飯も作れないし、幼稚園のスモックも縫ってやれないし…
やっぱり、おじいちゃんより おばあちゃんですね。


世のおばあちゃんたち、うざいと言われようが かまいばあさんになってください。
お願いします。
きっと いつか、花菜さんのように感謝をこめて 懐かしんでくれますから…


「トイレの神様」 を聴きながら、涙もろくなった自分に、ちょっとびっくりして、遠い遠い祖母の記憶を 追い求めて、植村花菜さんのおばあちゃんのように 慕われる老人になれたらいいなぁと…
倒木更新を、自分でもびっくりするほど 真剣に思っています。