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2010年安保

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60年安保から、半世紀。
70年安保からでも、40年。
普天間基地移設問題で苦渋する鳩山首相の顔を テレビや新聞で見るたびに、これは、鳩山首相ひとりを責める問題ではないという思いが募る。

毎年ごとの自動更新となった70年安保以後、基地問題を含め 日米安全保障条約について、安保闘争と呼ばれるほどの国民的関心は薄かったと気付く。


アメリカ軍のみとなった進駐軍(占領軍と呼ばなかったところに深い意味があった)は、51年安保(旧安保)で、「在日米軍」と呼び名が変わった。
その在日米軍について定めた法律が、『日米行政協定』を継承して 60年安保(新安保)の第6条で正式成立した 『日米地位協定』である。

アメリカに守ってもらっているんだから、多少の屈辱的 『日米地位協定』はしかたない・・・
そんな他人事のような感覚で、バブル景気に流され バブル崩壊に右往左往していた時期を通して、沖縄や軍事基地のある本土地点に住むひとびと以外の ほとんどの日本人は、日米安全保障条約に無関心であった。


“宇宙人”鳩山首相を載く ただ今の民主党に失望は多いが、普天間問題を通して 日米安保条約に日本国民の関心を向けさせた意義は大きい。

いまの私たち日本人にとって、60年以上も前に締結された日米安全保障条約は ほんとうに必要なのか。
地球全体がひとつの有機体という認識の現代にあって、「在日米軍」が ほんとうに日米両国のためになることなのか。

70年安保闘争のような、独善的自己主張で血をながすことではない。
平和を享受しているとは言い難いが、60年以上も戦争で死者を出さずに来れた国民としての自覚をもって、とんがらず 穏やかに、安保を考えたい。
いまこそ、安保と真剣に向かうときなのだと思う。

わたしは これを、「2010年安保」と呼びたい。