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矢野選手の八重歯

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虎キチの 「浜長」のおやじさんとの電話は、決まって1時間は越します。
浜長とは、日本一旨いとわたしは信じている こんにゃくやの老舗です。

浜長のおやじさんには、野球に対する持論があります。
自身、若いころは 草野球のヒーローであり、現在では 地元少年野球チームの監督でもあります。
彼の持論は、ただ二つ。

「野球はピッチャーや」
「二勝一敗でええねん。三連敗はあかん。三連勝はもっとあかん。」

今季の阪神タイガースは、彼の持論に沿っていません。
だから たぶん、リーグ優勝は無理でしょう。
優勝は、ピッチャーのいい中日ドラゴンズでしょう。
(こんなこと言いながら、心の内では 阪神がひょっとしたら優勝するかも、なんて思っているんですが…)


矢野耀大(あきひろ)捕手の引退は、とてもさみしいです。
試合に勝って、投手に歩み寄って、八重歯を思いっきりみせて、最高の笑顔。
ぼくは、あの笑顔が見たくて、阪神タイガースを応援しているようなものです。
家内は、矢野選手は いい顔しているけど しゃべらしたらちょっと失望やね、なんていいますけど、ぼくは あの噛みそうな関西弁、大好きです。

「おれには一芸がない。これに関して負けないというのは何もない。」
矢野選手はそう話していますが、彼のここ一番の適時打シーンは、ぼくの頭にいっぱいです。

「コツコツやるのは誰にも負けないから、おれはやってこられた。」
そう言い切る矢野選手、かっこいい。

もし ぼくがピッチャーなら、キャッチャーは 絶対に矢野捕手を選びます。
矢野選手のキャッチャーミットに向かって、投げてみたい。
夢のまた夢です。


岡田の首振り、赤星のひょっとこ口、阪神から消えてしまいました。
浜長のおやじさんが、長電話で ポツリと言いました。
こんどは、矢野の八重歯、もう見られんのかぁ。