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微妙な年齢

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久しぶりに、京都市バスに乗りました。

どの席に座ろうか、と迷うくらい、乗ったときは すいていました。
シルバーシートは避けて、一人席を選びました。
しだいに混んできました。
真横に、ぼくより一回りくらい年長の紳士が、手すりにつかまって 立っています。
シルバーシートには、2組の若い男女が座っています。

気持ちが落ち着きません。
ぼくも もう高齢者に分類される身なんだ と、ちょっと居直って、自分と同様に席を譲ろうとしない シルバーシートの若者たちに、責任を転嫁して、そわそわと座り続けました。

65歳というのは、微妙な年齢なんです。

こんなこともありました。
最近とみに混みだした、JR嵯峨野線でのことです。

満員の京都駅行きの車中で、手すりにしがみついていました。
丹波口からさらに乗り込もうとする圧力で、前に座っている若い女性に 覆いかぶさる格好になりました。
見かねてか、迷惑からか、判然としなかったのですが、彼女が席を譲ろうとしてくれました。
でも 体勢的に、彼女と入れ替わって座るというのも、大変な状態でした。
丁重にお礼を言って、「もうちょっとですから」とかなんとか言って、親切をおことわりしました。

65歳は、譲ることにもためらい、譲られることにも戸惑う、どっちもつかずの 微妙な年齢なんです。