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俳句のような映像

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テレビっ子のわたしとしましては、コマーシャルメッセージも “テレビ”のうちです。
だから、本編のドラマがいくら感動的でも、それをたびたび分断するコマーシャルが不愉快だと、本編まで色あせてしまうのです。
ところが、その邪魔者のはずのコマーシャルで、本編まで輝いて見えてくるのがありました。
大和ハウスのCMです。

深津絵里とリリー・フランキーが奏でる、15秒ドラマ。
まさに “映像の俳句”です。

「また、どうでもいいことで けんかした」 の夫のつぶやきではじまる、ショートショートストーリー。

「どうでもいいと思っているところが、すでにダメ!」 と、妻の声。

「あれ、おれが悪いの?」

「あやまれば許してあげる」

「おれは簡単に頭を下げる男じゃない」

そう言う夫が こわそうな得意先さまに深々と頭を下げている映像に、思わず、あれっおれとそっくり、なんて思ってしまいます。

このCM、最後の最後まで泣かせてくれます。

「トシとっても大事にしてあげない」

「いいさ」

「けっとばしちゃうかもよ」

「いいさ。そのかわり、おれより長生きしろよ」

夕暮れの住宅街、みやげを持った夫が、駆け寄る妻と見上げる我が家…

どこにでも転がっていそうな日常を これほど魅力的に映像表現されると、CMであることも忘れて、繰り返し観たくなります。

コラムニストの天野祐吉さんが、朝日新聞のコラム 『CM天気図』に、このCMについて 実にうまいコメントをされていました。

「国民の生活」が大事だと訴える政党は、これをそのまま、選挙のCMに使わせてもらったらいいんじゃないの?

そうそう、“難破船で助け合う仲良し三人組のおじさん”CMを しつこく流していた政党が ありましたっけ。
センスの差、なんでしょうかねぇ。

家を買うなら 大和ハウスにしようかな…?