おひさま |
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NHK連続テレビ小説 「おひさま」の第8週 『それぞれの朝』をみているときでした。
たまたま一緒に、息子も見ていました。
“陽子…俺は星になる…お前は太陽になれ” と、出征間ぢかの茂樹兄さんが うわごとを言っている場面でした。
「これは、声高やないけど、上質な反戦ドラマやなぁ」
そう、テレビの方を見ながら 話しかけるでもなく話かけると、息子から 意外な答えが かえってきました。
「いや、単なる反戦やぁない…」
「戦争自体を肯定してるわけやないけど、弱音ひとつ吐かず気丈に振る舞った茂樹兄ちゃんを 誇りに思う、そう言うてるやん」
言葉足らずだけれど、そのとき わたしは、息子の言わんとしていることが、十分に理解できました。
そして、まいった、と思いました。
<俺みたいな後ろ向きの暗さは、もう古臭いんゃ…>
<いやな時代やと 文句ばっかり言うてても、なんにもええことないわなぁ>
わたしは、声にはしませんでしたが、そう 息子に話しかけていました。
息子の、親の欲目でいうところの、成長した姿を垣間見たようで、とてもうれしい気持ちになったのでした。
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