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CADに思う、その2

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コンビニで “おにぎり”を買って それを頬ばる前に、いつも感心させられることがあります。
この包装、うまいことできてるなぁって。
手にご飯粒はつかないし、パリッとした海苔で上手に巻けるし、よう考えてあるなぁって。
こんなアイデアは 絶対にCADでは生まれへん、そう確信できます。


もう今や 機械設計は、CADなしでは 前に進みません。
いかに適切に 過去のデータを引き出してきて、いかにうまく それらをきったりはつったりして、所要の機能を満足する形にするか、機械設計者がいまやっているのは、そんなことです。

よく考えてみると、おもろない仕事です。
真の創造というものが、欠落している。
コンビニおにぎりの包装は、こんな設計からは 生まれるはずがない。


むかしやっていたドラフターだったら、独創的な設計ができるのか と言うと、そうとも言い切れません。
でも CAD設計よりは、コンビニおにぎりの生まれる確率は 高そうです。
過去のデータは、目の前に広げられた図面か もしくは自分の頭の中か、いずれにしても 図面に描かれる前に、いったんイメージング過程が入ります。
その過程で、設計者のオリジナルな発想が入り込むチャンスが、いやでも存在するのです。

じゃあ ドラフター設計に戻ればいいやん ということには、もうなれない。
だいいち ドラフターなるものが、設計室から消えてなくなっている。
あったとしても、使い手がない。
使い手がいたとしても、スピードを重要視する現代設計には、とても追いついていけそうもない。


では、独創的な設計は どうすればできるのか、ということになります。
それは、ポンチ絵(マンガ)しかない、ぼくは そう思います。
うまいマンガでなくても いいのです。
自分の頭の中で描いた像を、自分にも そして他人にも、理解できる “絵”にできる能力。
欲しいですね、そんな能力が。

もちろん、頭の中の像を いきなりCAD上に表す手も、ないではありません。
しかし、イメージングという過程は、頭の中と手先のエンピツの動きと 行ったり来たりしながら、膨らんでくるものでしょう。
いきなり CAD上では、ぼくは無理です。


説得力のあるポンチ絵と 習熟したCAD、この組み合わせが、これからの機械設計者には 必須となる。
コンビニおにぎりを頬ばりながら、そんなことを考えていました。