YAMADA IRONWORK'S 本文へジャンプ
日傘の女性

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いま 京都市美術館で、「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」が開かれています。
質、量とも 快適で、なかなかの展示会です。
印象派絵画ファンには、見逃せない絵画展だと思います。

モネの作品 「日傘の女性」が、出品されています。
出品されていることを知りませんでした。
ラッキーでした。





モネの作品の中で、いちばん好きな絵です。
モデルは、モネ夫人・カミーユと息子のジャン。
きっと モネの生涯で、最良の日々の瞬間に違いありません。

モネが、おーい と呼んだら、夫人が振り向いた。
息子も ほほ笑んで、こちらを見ている。
夫人の顔のあたりを流れる風が、青空に溶け去ってゆきます。

この作品が描かれた4年後、カミーユ夫人は 病で世を去ります。

パリのオルセー美術館に、もう一つの 「日傘の女性」があります。
上の作品から11年後に描かれたものです。
モデルは、再婚相手 アリス・オシュデ夫人の連れ子、シュザンヌです。

これも とてもいい作品なのですが、秋の陽射しと風と下草だと思うのです。
なにかしら 寂しげです。
シュザンヌの表情も 読み取れません。
あえて そう描いたのでしょう。
モネは、シュザンヌをモデルにしながらも、亡き最愛の人、カミーユを思い描いていたに違いありません。

散歩するモネ夫人と息子とを描いた作品、ぼくの大好きな作品 「日傘の女性」に会えて、ほんとうにラッキーでした。