YAMADA IRONWORK'S 本文へジャンプ
あなたへ

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無口であることが 男らしさの条件のひとつ、若いうちは そう思いこんでいました。
高倉健の影響です。
ところがこのごろ 「しゃべり過ぎヨ」と、家内から小言を言われるようになりました。

9月8日、10日の二回にわたって放映されたNHKプロフェッショナル 『高倉健スペシャル』を見て、ほっとしました。
健さんも、けっこう おしゃべりなんやと判ったからです。
だからといって、健さんへの憧憬度に 変化はありません。

映画 『あなたへ』を観ました。
こんなことを言うと 高倉健ファンからバッシングを受けそうですが、健さんの映画は これが最後なのでは、と思っています。
変な覚悟を決めて、この映画を観ました。

「大人の日本映画を作りたい」、この健さんの思い通りの出来栄え、観終えてしばらくしてジワーッと そう実感しました。
人生とは切ないもの、けれど 嫌悪感などはありません。
いとおしいものとして、訴えてくるのです。

富山にある刑務所の技官・倉島英二(高倉健)は、亡き妻(田中裕子)から届いた二通の手紙に導かれて、妻の故郷・平戸島へ旅立ちます。
妻の遺骨を、彼女の希望する生まれ故郷の海に散骨するために…

「人生は老境に至って初めて成熟する」、この映画の高倉健を見て、しみじみそう感じられました。
歳を重ねるのも、わるくないなぁと…
健さん、ありがとう。