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テレビドラマと映画

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映画とテレビドラマは根本的に違うもんなんだなぁ と、火曜夜10時に関西テレビで放映している 「ゴーイングマイホーム」をみて、変に納得している。


映画監督の是枝裕和が脚本・演出を手がける初のテレビ連続ドラマ、ということで期待していたのだが、どうもパッとしない。
視聴率も いまいち、らしい。
まず、トロくさい(映画では是枝監督の良さなのに)。
つぎに、メリハリがない(これも是枝監督の特徴のひとつだと思うのだが)。
そして なによりも、いつのまにやら終わっていて、次回へのワクワク感がない。

映画館は暗室で、途中でトイレに出るのも気が引ける。
いやがおうにも、観客は映画に集中する。
ところが、テレビは片手間だ。
それに民放の連ドラは、長いコマーシャルでぶつぶつ切られる。
だいいち、一週間後まで余韻を鮮明に保って…と言うほうが、無理である。

二週目までタイムリーの放送で見ていたが、三週目からは録画にして、裏番のNHK 「シングルマザーズ」に切り替えた。
それが、「ゴーイングマイホーム」を再認識できることになった。

録画では、長ったらしいコマーシャルはスキップするし 何週間分を連続して見るし、映画みたいな見方ができる。
すると、あのトロくさい画面の裏に隠れている 人と人との駆け引きの機微みたいなものが、みえてくる。
意味不明だった遠くの風景が、ピッタンコとストーリーに溶け込んでくる。
長いセリフや長い沈黙が、訳ありに思えてくる。
ちょっとした発見、みたいな気分になった。


是枝手法がテレビで通用するかどうか 少々疑問ではあるが、あと2話 確実に録画して、テレビ連続ドラマの是枝節を見届けたい。