もう一つの‘あまロス’ |
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NHK連続テレビ小説『あまちゃん』の後遺症「あまロス」の患者数は、ときが経つにつれて減っているようですね。 あと番組『ごちそうさん』の健闘ぶりに拠るところも、大きいかも知れません。 でも
わたしは、‘いびり’の快感より、やっぱり‘じぇじぇじぇ’の明るい驚きの方が、性に合っているようです。 いまだに「あまロス」です。
もう一つ、あまロスを患っています。 天野祐吉さんを失った「あまロス」です。 水曜日になると、きまって痛み出します。 水曜の朝日新聞朝刊に、天野さんの名物コラム「CM天気図」が見当らないのが、ものたりなく・・・
10月20日、広告やテレビ番組の批評で人気のコラムニスト、天野祐吉氏が亡くなりました。 いびつにふくれあがった20世紀文明が、どういうふうに歪み、どういうふうに壊れてきたか、これを広告という窓からのぞきながら、洒脱な文体で
判りやすく解きあかしつづけた、<別品>のコラムニストでした。 天野さんは語りかけてきます。 いまでしょ!文明の書き換え作業にしっかり取りかかるのは、と。
いま、天野氏の最後のメッセージ本となった『成長から成熟へ---さよなら経済大国』(集英社新書)を読んでいます。 天野節
ここに極まれり、といった読後感です。 でも
天野節は、そのときどきをハモらないと、本調子じゃぁありません。 ちょうど、筑紫哲也氏の『この「くに」の面影』(日本経済新聞出版社刊)を読んでいても、やっぱり
いまの「多事争論」を聴かなけりゃぁ納まらないのと同じように・・・
いまのこの国の、共産党独裁の中国にどこか似たような成り行きを、天野さん、あなたなら どうチクるんでしょうか。
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