やなせたかしさんの『わたしが正義について語るなら』を読んで |
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震災特番だったか、やなせたかしさんの追悼特番だったか・・・
南三陸町の若いお母さんが、アンパンマンのマーチに勇気と希望をもらいました と、目に涙を浮かべながら語っていた姿が、記憶にあります。
アンパンマンのマーチって、孫たちの幼稚園の運動会なんかで よく耳にしてはいたけれど、大人がそんなに感激するような歌だったかなぁ、と ちょっと驚きました。
書店の優先棚に並んでいた やなせたかし著 『わたしが正義について語るなら』に スーッと手が行ったのは、そういう記憶があったからだと思います。
安倍さん、わしらをいったい どこへ連れて行くつもりなんや、とか。
佐村河内氏を擁護する気は起こらんけど、マスコミもマスコミやで、特にNHK、とか。
東京ばっかりに金落として どうすんねん、マッカーサー道路に いくら税金つぎ込むんや、とか。
映画のチケット、シニア料金1000円やったのに、3%消費税値上げで1100円、便乗値上げとちゃうか、とか・・・
怒りたいことは山ほどあるけれど、よく知りもしないで怒っている自分が バカらしくなってきました。
アンパンマンのマーチをYouTubeで聞きながら、『わたしが正義について語るなら』を読んでいると、肩の力が抜けて ふーっと気が楽になるのです。
なんのために 生まれて
なにをして 生きるのか
そう 問いかけられると、
なにが君の しあわせ
なにをして よろこぶ
かが 見えてくる。
身近な人の幸せを願っていますか?
人生の楽しみの中で最大最高のものは、やはり人を喜ばせることでしょう。
いっぱい憎悪することはあるけれど、怒るよりも笑いたい。
人生なんて夢だけど、夢の中にも夢がある。
悪夢よりは楽しい夢がいい・・・
あの 南三陸町の若いお母さんと同じように、目に涙を浮かべながら わたしも、アンパンマンのマーチを口ずさんでいました。
正義という言葉に込めたい思いは、この詞の中にあります、と語る やなせたかしさんの優しさが、ジンジン伝わってくるのです。
やなせたかしさんの辞世の句、と勝手にわたしが思い、まるごと吸い寄せられた言葉を、最後に。
すべての人に優しくして、最後は焼き場の薄けむり。
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