YAMADA IRONWORK'S 本文へジャンプ
ひおうぎ

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ことしも、祇園祭の夏が やってきました。
約半世紀ぶりに後祭が復活、といっても ちょっとダラけるんやないやろか。

年々 観光化してきて、むかしのような親しみが薄れてきた気がします。
鉾から投げられる粽を キャッキャ言うて奪い合った光景は、もう望めそうにありません。
新町通りにあった知人の家の中二階から、すぐそばを通る鉾の上のはやし方の友人に茶化し囃子を浴びせた思い出が、なつかしい。
わたしだけの、独りよがりの郷愁です。


ところで、祇園祭には、ヒオウギという植物が飾られるという風習があります。
祇園祭が元々は疫病を流行らせている怨霊の怒りを鎮めるために始められたことから、悪霊退散に使われたヒオウギは欠かせないものとなった、ということらしいです。
たしかに、ヒオウギの葉は、檜扇を広げた姿に似ていて、邪鬼を扇ぎ払う雰囲気も ありそうな気もします。

俄か勉強ですが、ヒオウギは黒い種子を持っていることから、この種子が 古代 「ぬばたま」と言われていたもののようです。
そういうと、万葉集の枕詞 「ぬばたまの」として、黒や夜に関するものに多くかかっていますね。

我が家の玄関にも ヒオウギのいけばなが飾られました。
いけ方に決まりがあるらしいのですが、たぶん 決まり通りのいけ方ではないでしょう。
まぁ、涼しげであれば、なんでもいいとして・・・厄除けのお守りがわりにもなるし・・・





ことしも 後祭の南観音山で、孫たちがロウソク当番をします。
おすそ分けで わたしも一緒に 「ろうそく一丁 献じられましょう」と唱えさせてもらうつもりです。