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ひな祭り

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誰もが子どものころ 親しんだ歌、「うれしいひなまつり」。
サトウハチロウ作詞のこの歌ほど、静逸な、それでいて なんとなくうきうきと華やいだ心持ちにしてくれるものはない。

赤い毛氈のひな壇に飾られた 雛人形やお道具を眺めていると、ふっと口を突いて出る 「うれしいひなまつり」。
わたしは 特に、二番が好きだ。

  お内裏さまと お雛さま
  二人ならんで すまし顔
  お嫁にいらした 姉様に
  よく似た官女の 白い顔

ひな壇の飾り方なのだが、ニュースなどで映し出されるお雛さまは、正面向かって右におわす。
子どものころから、向かって右が お内裏さま と思い込んでいるので、我が家では 今もお雛さまは、左におわす。
京都だけかも知れないが、まぁその方が落ち着くのである。

ところで、「うれしいひなまつり」に 三番、四番があることを知らなかった。
なるほど、官女の白い顔で終わっていると、落ち着かない感はある。
四番まで聞くと、トンと胸におさまって、ますますうれしくなるのである。

  金の屏風に 映る灯を
  かすかにゆする 春の風
  すこし白酒 召されたか
  赤いお顔の 右大臣

  着物を着かえて 帯しめて
  今日は私も 晴れ姿
  春の弥生の このよき日
  なにより嬉しい 雛まつり