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敗戦投手

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いま、リオ・オリンピックのニュースで 持ちきりですね。
オリンピックも 種目によっては、もちろん 興味津々ですが、やはり 私は、高校野球に目が行きます。

愛知の東邦と 青森の八戸学院光星の試合、興奮しました。
東邦 9回裏の、4点差を一気にひっくり返す大逆転。
高校野球には、こういう奇蹟があるんですね。
だから、やめられないんです。

判官贔屓で 負けている東邦を応援したくなるのですが、光星のエース・桜井くんの あの茫然自失のマウンド姿を見て、あぁかわいそうに!こっちが先に泣いてしまいました。
先発投手の和田くん、中継ぎの戸田くんが好調だったから 余計、エース桜井くんの気持ちが じんじん伝わってくるのです。

小躍りする東邦の選手たちと、言葉すら出ない光星の選手たち。
この光景は どの勝負にも付きものですが、その明暗の全責任を一身に背負ったエース桜井くんの表情ほど、哀しいものはありません。
しばらくしてどっと湧き出る涙の桜井くんに、同僚たちが駆け寄って支えます。

「負けて怖さを知りました」
引きつった表情で搾り出した敗戦投手・桜井くんのコメントは、彼の一生の宝物となるでしょう。