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何が自由か、知っている。

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「何が自由か、知っている。」
これは、映画 『めがね』 のサブタイトルです。

この映画、なんてことのない、でも、なにか残ります。
ずーっとあとになって、ふっと思い出して、いい映画だったなあ、と懐かしむような・・・


南の島(与論島かな?)に毎春訪れて、砂浜にカキ氷店を開くサクラ(もたいまさこ)。
メニューはみぞれ金時だけ。
お金は取らない。
カキ氷のおれいは、土地のひとなら取れたての野菜。
子供は折り紙、ユージ(光石 研) とハルナ(市川実日子)は、マンドリン演奏、そしてタエコ(小林聡美)は、手編みのながーいマフラー。

さて、もし私だったら、と思ったのです。

私だったら 何をお礼にさしだせるだろう。

ふーん、何もないんですね。
悲しいですが、ほんとうに何もない。

いいままで何してきたんだろう、と思います。
お礼に差し出せるもの、これが生きる力でしょうに。


怖いほど透き通った海を前に、みんな その海のほうを見ながら、砂浜でカキ氷を食べている5人(ヨモギ(加瀬 亮)も入れて)。
夢に見そうな場面です。


自由って、束縛されないとか、誰にも干渉されないとか、いろいろ言いますけれど、大声でしゃべり合わなくても、同じ方向を向いている仲間が、たくさんそばにいてくれること、それが、ほんとうの自由じゃないかって、この場面見て、思いました。

どうということないんですけど、とてもいい映画でした。