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農政を憂う

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当社のユーザーの多くは、いま、小麦粉の値上がりに四苦八苦されています。
当然、設備投資意欲も落ちています。
だから、当社の営業もたいへんです。

小麦は自然からの賜物ですから、その時どきで収穫量が左右されるのは致し方ないです。
でも、人災で麦価が値上がることは、人間の欲深さ、人智の貧しさというしかありません。
地球温暖化が、収穫量の減少に影響しているのも事実です。これも人災といえます。
石油需要の急増、トウモロコシのバイオ燃料化、小麦畑のトウモロコシ畑への転作・・・いずれも人間の欲がなせる、世相です。

なによりも人災なのが、ダブついた金融資本が穀物市場に投機されて起こる穀物価格の急騰です。
ステンレス材料の激しい値上がり、鋼材不足・・・これらも、実体の需給バランスによる価格変動を逸しています。
正常な行き場を逸脱した金融資本や 急激な貿易黒字で余る国家資本の、思わく買いのあおりを受けているのに 違いありません。
経済至上主義の資本主義社会に、なにか ウンザリしてきました。

日本の食糧自給率は、40%を切っています。
石油、鋼材、ステンレス材・・・、どれをとっても生活に直結した重要な材料です。
しかし、食べ物に関する材料が何を差し置いても大切であることは、終戦直後のひもじさを語るまでもないでしょう。

EUは、今秋と来春の作付けにあたり、農家に義務付けている減反の停止を提案し、穀物の増産を図り、EU穀物市場の緊張を和らげる政策を打ち出しています。
世界第2位のコメ輸出国であるベトナムですら、コメの輸出契約を来年まで結ばず、100万トンになった在庫を国内用に確保しておく構えをみせているといいます。

一方、日本政府は、飼料価格を市場原理に任せきりで高騰を放置したため、国内の養鶏業者や養豚業者の倒産が相次いでいます。
農林水産省は、コメの減反を続けながら、小規模農家を切り捨てる新農政を、この4月から始めたばかりです。

農業切捨てに狂奔してきたツケが、これからの日本の食卓を狂わせることは、間違いなさそうです。

しっかりしてくれ!農林水産大臣殿。