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製麺ロール:ブラックロール



ブラックロールとは

 「上手に使い込んだ 黒光りの鋳鉄ロールの良さを 覚えておられますか?
 

あの黒艶は 永年塩気のある麺帯を圧延しているうちに
ロール表面が科学的に極めて安定した酸化膜(四三酸化鉄)
で覆われるからです

ブラックロールは この黒艶を優れた表面処理技術で
人工的に施したものです

ブラックロールは 鋳鉄そのものの科学反応皮膜であって
メッキではありませんから 剥れる心配は無用です
ブラックロール表面処理プロセス 
ブラックロールの生成組織 ブラックロールの特徴

〔表面が硬い〕
窒化処理しているので 硬度の高い窒化鉄層が表面に分布している

〔つるつるの肌〕
製造プロセスの途中で ポリッシュ(研摩)をかけるので 面粗さが緻密である

〔耐食性が優れている〕
ブラックフィニッシュ工程により 耐食性に優れた酸化膜で覆われている

ブラックロールの用途

☆ 少加水麺で ロール表面に薄膜麺屑がひっついて困っている
圧延ロールとして

☆ 極薄仕上げロールとして

☆ カスリとの馴染みの悪さに苦慮されている ステンレスロールの
代替ロールとして

☆食い込み悪さに悩まされている 樹脂ロールの代替ロールとして


ブラックロールは 当社の商標登録です


ブラックロールの安全性

ブラックロールの安全性について 私共のお客様から 問合せをいただいたことがあります
お客様のラインのミキサーは 当初 連続瞬間水和混和機のみであったため 麺帯に遊離水が多く含まれていました

このため 操業当初 圧延ロールで麺帯から遊離水が搾り出されるように ロールカスリの裏にネバネバした
麺屑が付着するというトラブルが起こりました

この麺屑に操業当初のロールの汚れが混ざって 黒っぽい色が付き この黒っぽい汚れがブラックロール
独自の汚れでは との指摘があり その毒性が問題になりました


そこで この麺屑を毒性分析試験にかけることに
しました

その結果報告書を 左に添付します


【分析・試験結果報告書の見方】

《μg/g(マイクログラム/グラム)》
資料(麺屑)1g当たりの100万分の1g
すなわち ppm(100分の1率)を表す

《総水銀<0.01》
0.01ppm(すなわち0.01μg/g以下
これは「検出されず」に相当する

《シアン<0.1》
0.1ppm(すなわち0.1μg/g以下)
これは「超極微量」を意味する


【結果報告書からの判断】

資料(麺屑)には Cr,Fe,Ni,Cu,Zn が微妙に含まれるが人体に悪影響を及ぼす量ではない
また 化合物を作って毒性を表す「水銀」「シアン」は
「検出されず」 あるいは「超極微量」との結果であり
安全性が問題になるような量は 検出されなかった


この試験結果報告書から ブラックロールには毒性はない と結論できました
なお このお客様は その後すぐに練り不足を補うために バッチ式横形ミキサーを導入されました