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コンコンチキチンコンチキチン

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   京の子の 襟に匂える 夏祭り
     うつつに聞けり お囃子の夢

ずっとむかしに読んだ小説、川端康成の晩年の作品 『古都』 の一シーン、生き別れた姉妹が祇園祭の夜に再会するシーン、それを読み終えてすぐ雑記帳に走り書きした拙い歌だ。
わたしにもあった青春の記録である。
京の夏は、祇園祭から始まる。
京都人なら誰しも、洛外の人であっても、彼が若者であればなおさら、鉾立てから宵山のこの時期、哀愁とも郷愁ともちょっと違う抑えきれぬ思いが湧いてくる。
バカ陽気な祭りとは対極にあるこの哀しげな力、親のその親のそのまた親のずっと昔の時代から、先祖を敬い災難を畏れ逝った友を懐かしむ仕掛け、祇園囃子。
妻とふたり大丸に食材を買いに出かけた帰り道、長刀鉾の鉾立てを横目に眺め、浴衣姿の若い女性の二人連れとすれ違う。
「若い子の浴衣姿てやっぱりいいなぁ」 と妻が言った。
そして続けて 「来年もこの雰囲気、味わえるやろか」 と。