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京都西山の国宝仏

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仏像の話はほぼ煙たがられる。
なのでなるべく会話の中では触れないようにしているが、ブログは気に入らなければ読まれないのだからと解釈して、仏像のことをちょっと・・・

人でいっぱいの東山桜名所を避け、西山連峰麓の 「花の寺」を訪ねた。
西行桜で有名な勝持寺の境内には 『花見んとむれつつ人の来るのみぞあたら桜のとがにはありける』の意とは裏腹に、まばらな桜人が静かに眺める小塩山斜面は無垢な桜色で埋め尽くされていた。

お目当ての仏像は、勝持寺のすぐ隣の宝菩堤院願徳寺という小さな寺の真新しい本堂に安置されている。
等身大の一木彫像である。
菩薩半跏像(伝如意論観音)。
異国的な趣漂う風貌である。
黒石がはめ込まれた鋭い瞳、張り詰めた頬、強い意志みなぎる唇、腫れぼったい瞼、抱きしめたくなる表現力である。
天衣と条帛が織りなす躍動感には、心が躍る。

仏像ファン必見の国宝である。