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泉屋博古館

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東天王町の泉屋博古館を訪ねた。
企画展 『日本の書』 に出ている寸松庵色紙を観るのが目的だったが、泉屋博古館の雰囲気を味わいたかったほうが本心である。

玄関の車止めに、二台の観光バスが停まっている。
フロントガラスに 「住友電気工業株式会社様」とある。
見学にでも来ているのかなぁ、と横目で通り過ぎた。

企画展を一通り見終えて玄関に出たところで、バスに乗ろうとしている新入社員らしき一団に会った。
話し声が笑顔で華やいでいる。
ふっと、49年前にタイムスリップした。

記憶が曖昧なのだが、若王子か鹿ヶ谷かの住友家の墓参を終えてたぶん、この泉屋博古館の集会所で研修最後の新入社員会合に出席したのではなかったか。
いまバスに乗ろうとする若者たちの笑顔が、そうだったと信じ込ませる。

今でも住友本家ゆかりの地で新入社員を迎える会社があるんだと、少しうれしい。