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剽窃(ひょうせつ)

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剽窃という言葉がある。
他人の著作から、部分的に文章、語句、節、思想などを盗み、自作の中に自分のものとして用いることを意味する。
他人の作品をそっくりそのまま自分のものと偽る 「盗用」とは異なる。

元来、日本には 「本歌取り」の伝統もあり、剽窃に対する罪悪感は希薄であった。
しかし最近、著作権に関する意識の高まりもあって、重視され出した。
道義上はともかく、剽窃を法律的に判定することは、依然として難しい。

特許に関するトラブルに悩まされるにつけ、この 「剽窃」という言葉を思い出す。
人類の進歩は、先人のいいところを真似して成し遂げられてきた。
いいものはどんどん使ってください、という世の中に成れないものか。
資本主義社会の悪弊であろうか。

本歌取りの背景には、読者の高い教養と寛容という玄人態度がある。
剽窃を世の中の発展の資とするにも、同様の態度が必要であろう。