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6月1日放映の BSプレミアムシネマ『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』を観た。 3年前に韓国で大ヒットした作品で、2年前の日本公開時に見逃した映画だ。
戒厳令下にも関わらず 光州事件を取材したドイツ人記者と、彼を乗せたことで 悲惨な事件現場を目の当たりにしたタクシー運転手の、実話をもとにした映画である。
この映画で わたしは、韓国の良心をみた思いがする。
『八月のクリスマス』以来 注目しつづけてきた韓国映画の、最も愛すべき精神を 感じ取ることができた気がする。
エンドロール直前に流れる、実在のドイツ人記者 ユンゲン・ヒンツペーター氏が亡くなる直前 2015年11月に語る言葉が、この映画が “ あの日(光州事件が起きた1980年5月18日)” を どう捉え どう描きたいかを、如実に物語っている。
「勇敢な韓国人タクシー運転手 キム・サボク(偽名)氏と 献身的な光州の若者たちが いなければ、光州事件の真実を伝えることはできなかった。 サボクさんに会いたい。 この映像を通じて サボクさんを探し出せたらと願っています。 もし見つかれば、私はあなたに会うために ソウルに飛んでいきます。 あなたのタクシーから 今の韓国を見物したいのです。」
良質の映画であった。
BSプレミアムシネマに 感謝しなければならない。
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