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けさ開けたカーテンを、閉める。 午後6時、もう 外は暗い。 無為に過ぎたのでは と、メリハリのない一日を コロナ禍のせいにしている。 10年足らず前に テレビ画面に映し出された あの大津波の惨禍を目の当たりにして、とるにたらない日常生活を あれほど有難いと感じ入っていたのに、である。
翌日 晴天を朝日で知って、カーテンを洗った。 年末の大掃除のつもり、である。 ついでにガラスも きれいに拭いた。 ガラスを拭いたところから順次、洗ったカーテンを吊るし干しする。 レノアのいい香りが、 部屋を満たした。 夕べの憂鬱は、どっかに消えた。
年越しという けじめ。 一日一日が間断なく流れていく中にあって 人は、年越しという節を設けた。 先人の 大いなる知恵。
年が明けて どんな世界が開けるのか。 コロッと変わるわけないが、けさ開けたカーテンを閉める 短い一日でも、年を越せば なにかが変わる、と思いたい。
来年が 希望の見える年でありますように。
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