朝ドラ、舞いあがれ! |
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君がいく 新たな道を照らすよう 千億の星に 頼んでおいた
上の句は、朝ドラ『舞いあがれ!』のヒロイン 舞の幼なじみ、貴司が作った短歌です。 実家の工場を立て直すために奔走する舞に 放浪先の五島列島から送った短歌、この貴司の短歌が 私はものすごく好きです。 実際は、このドラマの脚本を手掛ける 桑原亮子氏の作らしいのですが…… さりげない、でも心のこもった 友情歌だと思う。
朝ドラ『舞いあがれ!』に惹かれるのは、空を飛ぶ夢を吹っ切って 実家の町工場の危機を救う手助けに 人生の舵を切った舞の決断を、若き日の私自身の姿と 重ね合わせているからかも知れません。 この舞の行動の道しるべの役割を、貴司の短歌が担っています。
五島列島・福江島の西南端に、大瀬崎灯台はあります。 映画『悪人』のクライマックスシーンで、ロケ地になった灯台です。 “ふつう”に馴染めず 就職した会社を辞めた貴司が、むかし舞からもらった絵葉書を頼りに訪ねた場所も、この大瀬崎灯台でした。 ここで貴司が一夜を明かしながら詠んだ 次の短歌は、朝ドラ『舞いあがれ!』ヒロイン舞の行く手をも(同時に私の残り少ない日々の行く手をも)力強く照らしているように思います。
星たちの 光あつめて 見えてきた この道をいく 明日の僕は
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