切刃で(麺帯を麺線に)切るということ |
①切るということ |
「材料を切る」と一言でいっても 「切断」 と 「剪断」 とでは そのメカニズムに
雲泥の差があります
例えば
「鋭利な出刃包丁で硬くなった鏡餅を切る」 場合の切れ方は 〔図①〕のように
刃の側面が “くさび”のように 裂け目の両側を押し開きながら シャープエッジの
先端に裂け目Xを先行して形成し切っていく というイメージで説明できます
一方
「刃先のない豆腐包丁で絹ごし豆腐を切る」場合のイメージは
ちょうどスキー板で新雪の上に載るときの状態に似ています
スキー板が刃先のない豆腐包丁と考え 〔図②〕を想像します
両側で雪層の切れているところは 「剪断」 で切れているのです |
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〔図①〕 |
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〔図②〕 |
このように 切る材料が硬いか柔らかいか あるいは サクいか粘いか によって “切られ”方が変わってきます
また 切るほうの道具によっても “切られ”方が異なります
例えば 同じ紙を切るのでも ナイフで切る場合は 「切断」のイメージであり はさみで切る場合は 「剪断」の
イメージです
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②切刃で麺帯を麺線に切るということ |
切刃は 本質的に 「はさみ」のイメージです
この本質は 麺線を成形する場合のメカニズムを理解するうえで
非常に大切なことであり 角歯はもちろんのこと 丸歯や包丁歯においても
同じです。
もし 麺帯にカミソリの刃を立てた場合のイメージは 〔図③〕のようになり
カミソリを抜き取った後は 麺帯の切り口の側面同士が引っ付いて
“分かれて切れる”状態にはならないことが予想されます
“切刃で麺帯を麺線に切る”イメージは 〔図④〕のように 「剪断」に切れるものと
考えるのが妥当のようです
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〔図③〕 |
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〔図④〕 |
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