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切刃について:切刃の形状 〔丸歯〕


 切刃原理 切刃の形状〔丸歯〕 切刃の形状〔包丁歯〕 切刃カスリ



丸歯の役目

丸歯は 麺帯を麺線に切る というスリッターの役目と同時に
丸形断面形状にするという 成形ロールの役目も持っています

この成形ロールとしての機能を付与しなければならないところに
丸歯のむずかしさがあります

丸歯の形状

細ミゾと これを挟む両側の山(凸部)が 角歯における 山に相当し
太ミゾと その開いた口(凹部)が角歯における 溝に相当します


つまり 麺帯を凹部に嵌め込むように 凸部で押して剪断して切る
というイメージです

この剪断する過程で 〔図①〕下部切刃の細ミゾの開口90°と
同図 上部切刃の太ミゾのα°とで 麺線のコーナーを押し潰して
その断面を擬似的に丸に成形するのです

両方の開口に強弱がないと 剪断力が弱く いったんは切れた
麺線が 凹部へ押しやられるとは限らずに いわゆる “すだれ”状に
なって出てくることになります


つまり 〔図②〕の太ミゾ開口角α°(≦90°)の値いを いくらに設定
するかで 剪断力が決まります


α°を小さくすれば剪断力は大きくなり 麺線の切れは良くなりますが
麺線の断面形状は扁平丸のようになり きれいな丸にはなりません


〔図①〕

〔図②〕
丸歯を追い込み過ぎると どうなるか?

丸歯は 成形ロールとしての役目を担っていますから
当然 ロール反力が働いて ロール中央付近で “逃げ”が生じます

これをカバーするために 予め ロールクラウンを付けます

従って ある程度の追い込み力は必要ですが 追い込み過ぎると
〔図④〕のように 刃先が忌んで 出てきた麺線の断面は 〔図③〕
ように 髭のはえた不恰好な丸になってしまいます

追い込む場合には じゅうぶん注意が必要です


《ロールクラウン》

〔図③〕

〔図④〕